今回は児童扶養手当の“所得制限だけ”のお話し。
児童扶養手当は、ひとり親家庭を支える大事な制度ですが、
受給できるかどうかを左右する 「所得制限」 はとても誤解が多いポイントです。
この記事では、
- 児童扶養手当でいう「所得」とは何なのか
- 給与の“収入”と何が違うのか
- 養育費の8割が加算されるってどういうこと?
- 扶養人数で変わる所得制限ライン
- 控除されるものとされないものの違い
ここを、今回だけでしっかり整理します。
次回の記事で“控除の詳細(小規模企業共済、iDeCo、医療費控除)”を深掘りしようと思います!
①「所得制限がある」というのはどういう意味?
児童扶養手当は、
受給者・生計を同じくする扶養義務者(親や兄弟)の所得が一定以上あると、
・全部支給
・一部支給
・支給なし(対象外)
に分かれます。
つまり、所得制限を正しく理解することが“最初の関門”。
② まず大事なこと:「収入」と「所得」は別物
給与でいうと、
- 収入=額面(総支給)
- 所得=収入 ー 給与所得控除 ー 各種控除
税金や児童扶養手当で使う「所得」はこちらのほうです。
③ 児童扶養手当でいう“所得”とはこういう計算式
児童扶養手当の所得は、税金計算とは少し仕組みが違います。
📌 所得計算のざっくりイメージ
(給与のみの場合)
所得 = 給与収入(額面)
→ 給与所得控除を引く
→ 特定の控除を引く
→ 養育費の8割を足す
ポイントは2つ。
④【ポイント1】養育費は“8割”が所得に加算される
例:月3万円もらっている場合
→ 3万円 × 12ヶ月 × 0.8 = 28.8万円 が所得にプラス
給与だけなら所得制限内でも、
養育費を足したら一気にオーバーするケースも多いので、本当に注意。
⑤【ポイント2】控除には“引けるもの / 引けないもの”がある
児童扶養手当で引ける控除は国税とほぼ同じですが、特徴的なのはここ。
✔ 一律で引けるもの
- 社会保険料控除:80,000円(固定)
※実際に年間30〜40万円払っていても「8万円しか引けない」というのがポイント。
免除を受けている方を除いて、ほとんどの方が、税金の控除額より少なくなると思います。
✔ 該当者だけ引けるもの
- 特別障害:400,000円
- 普通障害:270,000円
- 勤労学生:270,000円
- 配偶者特別控除:控除額相当
- 雑損・医療費控除・小規模企業共済等掛金控除(小規模・iDeCo):控除額相当
✔ ひとり親・寡婦控除(養育者のみ)
- ひとり親:350,000円
- 寡婦:270,000円
⑥ 控除を引いたあとに「所得制限表」で判定する
📌 所得制限(令和6年11月〜)
| 扶養人数 | 全部支給(A) | 一部支給(B) |
|---|---|---|
| 0人 | 690,000円 | 2,080,000円 |
| 1人 | 1,070,000円 | 2,460,000円 |
| 2人 | 1,450,000円 | 2,840,000円 |
| 3人 | 1,830,000円 | 3,220,000円 |
(扶養義務者は別枠)
⑦ 所得制限を判断するには、「控除」を理解するのが一番むずかしい
所得制限の計算は、「控除でどれだけ下がるか」がとても大事。
でも、この控除がとにかく難解で、特殊な決まりだと思います。
- 小規模企業共済は引ける
- iDeCo(個人型確定拠出年金)も引ける
- 医療費控除も引ける
社会保険料は8万円しか引けないのに、なぜ任意加入の小規模共済・iDeCoは全額引けるのか…?
変だと思いませんか??
おかしいなぁ…と思うけど、それでも、決まりは決まりで、それに従って計算するしかありません。
もちろん、小規模企業共済やiDeCoは一定年齢や条件に達するまで払い戻しができない等の縛りもあり、控除を増やすためだけに安易にお勧めすることではありません。
ただ、特殊なルールだな、と控除の内容を見るたびに思います。
ややこしいですよね。
🟦 まとめ:今回は“所得制限だけ”の回でした
今回は、
- 収入と所得の違い
- 児童扶養手当でいう所得の考え方
- 控除の基本
- 養育費8割の加算
- 所得制限ライン
などをまとめてみました。
控除の詳細や金額は深く書くと長くなるので、次回の記事で整理してみます。


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